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【うまい、やすい、はやい】

はやい、うまい、やすい


牛丼チェーンの創業者が考えたキャッチフレーズ
「うまい、はやい、やすい」
当初は
「はやい、うまい、やすい」

の順番だったそう。
お客さんが席に着いてからの印象の順番だったとの事。
しかし、お客さんの舌が肥えてきて、1994年から
「うまい、はやい、やすい」
に変わり、その後牛丼の値下げ競争を鑑みて、今の
「うまい、やすい、はやい」

に変化していった。
時代やニーズに合わせて言葉や優先度も変わっていった。

確かに、
安くて早くても不味ければ入店しないと思うので、うまいが一番最初に来ることは理解できる。
しかも、今はファーストフード店や牛丼店の提供時間が早いことは認知されているので、それを推す必要はない。

じゃあエンタメ業界はどうなのか?我々アーティストにとっては?

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レスポンスの速さ、ギャラの安さ、ダンスの技術


エンタメを生業としている僕たちが求められているものはどれだろう?
答えはないのが前提として、僕の経験の中では
「はやい、やすい、うまい」
の順番で仕事が成立することが多い。

今でこそかなりクリーンになったが、ダンサーという職業がメジャーになってきたのは、ほんの数年前。ここでいうメジャーという意味は、仕事として認知されてきた、ということ。
ダンス人口に対して、受け皿がまだまだ整っていない業界であることはまた別の機会にお話できればと思うが、
『ダンスを踊っている=ガラが悪い』
という認識は、もうあまりないはず。

ちょっと前までは、
ダンサー = 外で踊ってゴミとか捨てるチャラい集団

というイメージが強かった(実際肌で感じていました)

だけど今は習い事の人気ランキングでも上位で、毎週のようにどこかで発表会なども行っていて、子ども達、保護者同士の交流の場所にも一役買っている。

ただ、これを仕事にしようと思った時に、また関わり方は変わってきて、今度は誰かのニーズを満たす必要がある。
ダンス人口が増えてきて、上手なのは当たり前になってきた。最低限の技術はなくてはいけないのも大前提。
その中で大切なこと、レスポンスの早さ。

これがまだダンサー業界では絶対的に足りない、と思っている。

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早いが生むメリット


特にアメリカで仕事をしていると感じること、それは躊躇している間に仕事がなくなってしまうこと。
依頼主の方が依頼された人より仕事を抱えているケースが多いので、イベントやメディアなど返答を待っているうちに、別の候補者に決まってしまって、その仕事が流れてしまう。

これは日常でも十分に起こっていることで、とんでもないカリスマ性を持つ人、影響力のあるインフルエンサーなどは、もしかしたら選べる権利もあるかもしれない。だけど、そうじゃない人が99.9パーセントを占めるこの社会で、相手のニーズを満たすために、自分はどのように行動するべきか。

技術レベルが均一化(コモディティ化)している今、相手は何を求めているか。
期待値を超えることは必要かもしれないけど、超えすぎる必要もない。
それよりも一つ一つを確実に、しっかりと信用を積み上げていくこと。

その点で、早さが生むメリットは、業務が滞りなくスムーズに進行できるだけではなく、相手にとって自分を優先してくれているという心理状態から、信用を勝ち取ることもできる。
内容によってはタイミングもあるけど、大半は今返信しても、後で返信しても変わらない内容が多い。

特に芸能の世界は口コミや紹介で仕事が決まるケースが、肌感でも8割以上。

自分のためだけに趣味でやって、時間の空く時に・・・くらいの感じであればそれはそれで良いし、
だけど誰かに届けたい、と強く思うなら、そのこだわりにその分の余白を入れることを前提にして過ごす必要がある。

この最初の段階をクリアしなければ、ギャラの交渉までも至らない。
自分のポジションはどこだろうか?