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【〜し放題の裏側】

食べ放題、見放題、かけ放題・・・

世の中には〜放題が溢れている。
そして今サブスクの波が言うまでもなく至る所にきており、定額を払えばそのサービスを限度なく使用できたりする。使用しなくてもその定額を払い続ける必要もある。

せっかくお金を払ったのであれば、それなりの結果を求めたいというのが人間の心理で、食べ放題でもとをとりたいがために食べ過ぎてしまうのもそう。自分が求めているもの以上に過度に摂取してしまうことがある。

今、音のコンテンツが世間を賑わしている中で、1.5倍や2倍速で聞いたりすることが主流になってきている。しかも今は映画や音楽までも早送りして見たり聞いたりする人もいるのだそうで、その裏側にはこの『〜し放題』のもったいない精神(行動経済学で、サンクコスト効果というらしいですよ!)が働いてしまうからだ。
既に支払ったコストに気を取られ、合理的な判断ができなくなってしまう心理効果のこと。
この効果をマーケティングに活用し上手に使うことで、ユーザー(我々)の消費活動も促進させる効果があると。

思い当たるふしが無い人は・・・多分いないんじゃないかと個人的には思っています。


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コスパが良いって何?

コスパとは、言うまでもなく、コストパフォーマンスの略語で、コストとは「費用」という意味、パフォーマンスとは「効率」という意味の言葉です。
費用対効果なんていう風に呼ばれることもあります。

自分が支払ったコストに対してどれだけの成果が出るのか、の指標のことです。
ここでいうコストは金銭面だけではなく、様々なリソース、時間や人材のことでそれに見合った対価があったら、一般的にコスパが良いと言われます。

じゃあこの『効果』って一体何でしょうか?
それを自分で分かっていなければ、僕たちはその仕掛けられた網にまんまとハマってしまうかもしれない。

その効果が高いとは、
勉強のような知識量の事なのか
芸術のような感動量の事なのか
ニュースのような情報量の事なのか

ヤフー調べによると、72%の人が標準スピードで視聴し、残りの約3割の人が早送りなど速度を変えて見ているとのこと。

クリエイター側からすると、全ての『間』にも意図があって、時間配分なども意識的に考えて構成しているはず。だけど3割の人はその過程への興味は薄く、結果やあらすじのみを把握したいと考え、感動量と情報量がごちゃ混ぜになっている。『これも見た』という結果を得れば、一定のコスパが得れたという認識になってしまうのではないか? 

読書の理由が知識や情報を得るためという意識で読むのであれば、速読や飛ばし読みも有効かもしれないが、文学や小説などストーリーも楽しみながらこの飛ばし読みなどをしてしまうと、頭で理解するだけの情報となってしまう。そこには本当の『感動』がない。

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知識よりも気付き

ただ目的地に着くだけなら、飛行機で行けば一番早いかもしれない。
ただ、鈍行列車で行くことによって旅の途中でしか得られないであろう体験もできるかもしれない。

とは言っても、僕自身も情報などの動画は早送りをして聞いたりしている時も多い。でもその中でも絶対に早送りにしないものは

『お笑い』と『音楽』そして『ダンス』だ。
3つとも僕が得たいものは情報じゃなくて感動。

僕にとって、これらは情報としてはとらえられない、聖域のようなもので、もちろん出来るだけライブで体験したいけど、特に今はできない場合も多いので、インターネットの力を使って楽しませてもらっている。

これから更に加速してやってくるAI時代、特にエンタメ業界は可処分時間の取り合いになってくる中で、どんなものが生き残っていくのか。個人的には上記のような早送りできないコンテンツだと思っている。別の言い方をすれば、『余白』のあるもの。
これは物や作品だけではなく、全てのものに当てはまると考えている。

10年以上前から僕は言っているつもりですが、ダンスを教えることだって、動画を見た方が分かりやすい。技術や細かい動きなども、自分のペースで、何度でも好きなタイミングで、いつでもどこでも確認できる。
そんな中でも大切なのは、『余白』。つまり自分で考えて決める力。自ら動く行動やアクション。

そういったことを共有できるサービスは今後も生き残っていくはず。
利便性は格段に上がったけど、その体験価値は下がっている。

だから、その体験価値を提供できるコトへの価値は上がるということだ。

知識を与えることは教科書を読めばできるけど、気付きを与えることは一方的な矢印だけではなかなか難しい。

早送りしたくないと思ってもらえて、むしろスローモーションな体験や経験を提供することができたらすごく価値があるのではないか?

と言うことで、これからは僕は遅送りでも楽しめるコンテンツ、を世に残すべく、試行錯誤していきたいと思います!

試行錯誤できる選択肢があるだけ幸せですね。